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#030『剥離再塗装日和』

2017-05-27

『商品のご紹介』でもコンディションに合わせて明記している剥離再塗装について、先日ご依頼いただきましたメンテナンス作業の写真を交えて書きたいと思います。

今回の内容は、お持ちのダイニングセットのメンテナンス。
とても大きく私達の車には載らないため、御自宅のテラスをお借りして作業をさせて頂きました。

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オーク材でしっかりと組まれた家具でしたのでぐらつき等は無く、剥離再塗装が主な作業内容となりました。

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剥離再塗装とは、文字通り「古い塗膜を剥離して、再び塗装し直します」

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剥離方法は元々使われていたニスや塗料の種類によって幾つか使い分けるのですが、今回は剥離剤を使うことにしました。

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剥離剤を均一に塗布し、暫くすると塗膜が浮いてきます。

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それをスクレイパーを使い、本体を傷つけないように少しずつ削ぎ落とします。

余談ですが、この剥離剤は車の塗装も剥がすことが出来る強力な薬品ですので、肌に付くと焼けるように痛いです。
この日も、首に巻いていたタオルに剥離剤が付着していて、それに気付かずおデコを拭いてしまい…
こればっかりは、何度やっても慣れない痛さですね(笑)

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そんなこんなで、ひと通り剥がし終わりました。

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その後は丁寧にペーパーをあてて、無塗装の状態に戻します。

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幸い晴天にも恵まれ朝からの作業でしたが、剥離が完了した頃には日も高くなり、日陰が少なくなってしまいました。
と言うのも、染料系塗料を用いた塗装作業は木の表面が温かいと乾燥も早く、顕著に斑が出ます。

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テーブル全体が入る陰が出来るのを待って、表面を冷まします。
その間に椅子の再塗装を行いました。

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指触である程度冷めたのを確認し一度塗装を行いましたが、普段の工房作業とは全く異なる乾き方をして刷毛が滑らず、斑が出来てしまいました。
そこで、もう一度剥離して、慌てず時間を掛けて冷まし、再度塗装を行い満足いく形に仕上げました。
(上の写真は、色味の調整中です)

ちなみに、最後に完成したテーブルの写真を撮り忘れるというおっちょこちょいなところを披露したわけでございますが、決して焦っていたわけでもお腹が減っていたわけでもなく、無事に作業が完了した安堵感で…ということでここはどうかひとつ。

後日、塗装面のチェックにお伺いした際、ご家族の皆様が綺麗になったテーブルに傷を付けないように恐る恐るお使いになっていたらしく、その後の家族会議の結果「普通に使おう!」と決まったとのことです(笑)

笑いの絶えない楽しいお仕事をありがとうございました。

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