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#034『The Game Tables』

2017-07-29

先日、設置が完了したダイニングセット。
19世紀後期に作られた太いターンドレッグが特徴的なマホガニーテーブルに、シルエットが美しいチッペンデールダイニングチェアが映えます。

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実は、このダイニングテーブルは4枚並ぶ無垢天板を外すと、スヌーカーテーブルになります。
ビリヤードの一種であるスヌーカーですが、公式戦で使われるスヌーカーテーブルは長辺が3.5m以上ある大きなものですので、こちらは約半分の長さ(面積は約1/4)の家庭用ゲームテーブルです。

ちなみに、フェルトとネットは英国で張り替えられており、ボールやキューも合わせて買い付けましたので直ぐにプレー出来る状態でした。

下の写真は工房にて木部のメンテナンスをしており、決して遊んでいるところではありません。
あくまでも、突くと玉が転がってポケットに入るかを確認しているところで...


楽しかったです(笑)

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さておきまして、以下の写真はそれぞれゲームに用いることが出来るテーブル達。

先ずは、ローズウッドで作られたチェステーブルです。
濃淡を使い分け、寄木細工で縦横8マスの碁盤の目になっています。
昨今話題の将棋は9マスですので指すことは出来ませんが、目がチカチカすることを除けばオセロは遊べそうですね。。。

必要に応じて折りたたむことができる天板は美しい象嵌が施されており、ゲームテーブル以外にもサイドテーブルやティーテーブルとしても活躍してくれます。

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次は、オーバルのセンターテーブルです。
最初にご紹介したスヌーカーテーブルと同様、天板を外すとフェルトが貼ってありカードゲームなどをお愉しみ頂けます。
この天板に収まりプレー出来る卓上ゲームは数多くあると思いますので使い方次第ですね。

移動式天板の両面には同じ化粧が施され、裏面は天板がずれ落ちないように5mm程彫り込まれた形状をしていますので、大きめのトレイとしても活用できます。

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最後は、四方がフリップアップ式のテーブルです。
どちらかと言えばティーテーブルそのものの形状をしていますが、各コーナーに引き出し式のお皿が仕込まれています。
一見グラス置きのようにも見えるのですが、お椀状に湾曲した底をしており、当時は手持ちのカードやダイス、コインなどを置くために使われていました。

日本では金銭を賭ける行為は法律で禁止されています。
(写真は当時の用途を再現したイメージです)

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その他にもたくさんのゲームがあり、日本も似ていますが地域によってルールが異なったりと、これはこれで調べ出すとキリがないですね。

買い付けの際に必ず立ち寄るパブ(年齢層は高め)では、CRIBBAGE(クリベッジ)と呼ばれる伝統的なカードゲームを愉しむ英国紳士を目にします。
トランプを使い得点を競うゲームで、無数に穴の開いた木製の得点板に棒を刺してカウントします。

実はこのゲーム、訪れる度に何度もルールを教えてもらっているのですが職人一同一向に覚える気配がありませんし、いつも教えてくれるおじいちゃんも回を重ねるごとに説明が雑になってきています(笑)

ということで、「ずっと遊んでいるんじゃないか?」と思われそうな写真を載せたわけですが、それらを含めた汎用性の高さも英国家具の特徴の一つと言えるかも知れませんね。

 

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