フランス製の可愛らしいランプシェイド♪
写真の通り布が破れてしまっていますので、この度どうにかしたいとのご相談をいただきました。
古い布シェイドは商品としても取り扱っていますが、光を透過させる必要があるため薄い生地が殆どです。
また電球の熱や経年によって破れたり穴が開いたりしているモノも多く、語弊があるかも知れませんが椅子生地と同じく長い目で見て消耗品のひとつと考えています。
実際、買い付けに際して気に入った照明のシェイドが破れている場合は、ランプベースに合わせた破れていないシェイド単体や雰囲気の良い新しいシェイドを探します。
ですので、今までに布シェイドは修理をしたことがなく出来るかどうかも判らないため、その旨をお伝えして最初お断りしました。
でも、このままではお使いいただけないので私たちも『どうにかしたい』思いと、小さいシェイドのため『どうにかなるかな』という思いでお預かりしました。
修理方法や材料は全てお任せくださるとのことでしたので、先ずは慎重にモノとにらめっこです。
古いシェイドに付くブレードは膠で接着されているものが殆どで、たまに糸で縫い付けられているものもありますが概ねどちらかです。
今回のコは膠で接着されていましたが、幸い綺麗に外せたので再度使えそうです。
そして、布はフレームの内側に沿い、外側から引っ張りながらドレープ状に縫われています。
上の開口が小さく、下に行くほど大きくなる楕円錐形ですが、生地の形状は扇形ではなく真っ直ぐな帯状のようです。
また、ある程度伸縮性のある生地を、ドレープを作る際の上下で摘まむ量を調整しながら1周されていることがわかりました。
あ...
気付くと、もう引き返せない状態に。。。
ということで、以前に買い付けたイギリスの古いデスクの奥から出てきた裁縫セットを準備します。
その中に入っていた少し光沢のあるシルク糸を針に通して、いざ作業開始です!
準備よし!
ん?
あれっ???
頭では解っているつもりでも、技術が伴わない典型の仕上がりですね…
あと、上下の楕円を繋ぐ縦の棒が6本入っているのですが、その部分が意外と複雑で、内側に沿わせている布を一度外側に出して棒を隠すように巻き付けてから再度内側に戻し、ドレープの幅を合わせて上下を引っ張りながら外側に折り返して棒に巻き付けた部分と一緒に外から見えない位置で縫う必要があります。← 備忘録も兼ねていますので気にしないでくださいm(_ _)m
そして3度目でだいたいの理屈がわかって、なんとなくそれっぽくなりました。
4度目もまずまずですね。。
5度目でやっと形になったのではないでしょうか。
ちなみに、シェイドの外周は60cmぐらいですが、無数に折り重ねるため布は約1.8mでした。
周囲の布張りが終わると、念のためですが以前に別のシェイドで見たことがある縫製部分の二度縫いを行いました。
オリジナルのブレードを戻して明かりを点灯したら作業完了ですよね?(笑)